maybe daily dev notes

私の開発日誌

小さめのデスクトップPCを組んだ #JONSBO T8

最近新型デスクトップPCを組んだので、顛末を記録しておく。

要件

顧客からの要望は以下の通り。

  1. 予算10万円程度 (OS/周辺機器含まず)
  2. 最新ゲームがそこそこできる
  3. かさばらない (部屋においてもじゃまにならない)

3がなにげに厄介。 というのも私はこれまで大は小を兼ねるの思想で、大型のデスクトップしか組んだことがなかったからだ。今も自分用は Define XL R2 というクソデカケースを使っている。 ここを満たすためには小型・低発熱・静音なパーツ選定をする必要があり、ちょっとしたパラダイムシフトを味わうことができた。

パーツ選定

上記要件を満たすような選定をする。

ケース

今回はPCの外見が最重視されたため、ケースから選ぶことにした。 TSUKUMOで見つけたこいつがお眼鏡にかない、決定。

JONSBO T8 Silver というケースだが、実際かなり小さくて驚いた。小さめのゴミ箱くらいのサイズで、ちょうど部屋の隅に収まるのである。下の写真でコンセントと比較するとその小ささがわかるだろう。

すっぽり!

ちなみにこれ、TSUKUMOでは14800円だったがAliExpressだと送料込11700円で見つかった。中国から輸送してなおその値段は安すぎる。ただし到着まで2週間ほど要した。

ケースが決まったので、これに合うパーツを選んでいく。

CPU

ゲーム用ということでまずはCore iかRyzenシリーズかで迷う。調べてみると、今回のターゲットとなる価格帯1万円台のCPUはIntelの方が選択肢多い印象だった。 というか今価格comを確認しても、Ryzenの低価格帯モデルは全然売ってない。品切れなのか…?

そんな理由でIntelに当たりをつけてしばらく中古市場 (a.k.a. フリマアプリ)を漁っていたところ、Intel core i3 10320 を14000円で入手できた。(さらにクーポンで700円引き!)

用途的にはもっと弱いi3でも良かったが、巷の情報によればこれが少し珍しいモデルらしいので惹かれてしまった。

【自作PC】世界で5人くらいしか持ってなさそうなCPUの入手に成功。「Core i3 10320」 - YouTube

あと、1個下のi3 10105も差額2000円安い程度だったので、あえて下げなくても良い感は強かった。単一コアの性能は同世代のi5よりも高いので、割りとコスパ良かったんではと思っている。その他の細かな比較は脚注に書いた。*1

CPUは Intel i3 10320 で決まったので、これに合うマザーボードを選んでいく。

マザーボード

ケースのJONSBO T8はMini-ITX規格のみ搭載可能なので、その中から選ぶ。 といっても、今回必要な次の条件

  • Mini-ITX
  • LGA 1200搭載可能
  • 10000円台

を満たすマザーボードは選択肢が少なく、価格コム調べで3モデルしかない。

結局MSIの H510I PRO WIFI にした。3つの間に今回のユースケースで意味のある機能差はほとんどなかったのだが、あえて理由を挙げるなら以下:

マザーボードWi-Fiモジュールが内蔵されているのには驚いた。最近のマザーボードにはアンテナを生やせる。

これでベースは整った。あとは合うパーツを適当に選んでいく。

GPU

中古のGTX 1060 Mini 3GBを21500円で購入(更にクーポンで1000円引き!)。特にこだわりなく、中古市場にある中でコスパ良いものを選んだ。 ケースの都合でボードが短いものしか選択できず、また高発熱のものは排熱しきれない・うるさくなる可能性がある。GTX1060はその辺りの懸念とのバランスも良い。

RAM/ストレージ

RAMは2枚しか挿せないので、8GB x 2で16GB。 ストレージはとりあえずM.2 SSDの1TBとした。 ケースの都合上拡張性に乏しいので、ここは顧客とよく相談して決める必要がある。

CPUクーラー

当初標準クーラーを使う予定だったが、実際動かしてみると高負荷時に思ったよりうるさい(ファン径が小さいので甲高い音がでる)ので、変更することにした。要件が後から追加されるのは世の理。

ただしT8に入るクーラーは高さ66mmまでと、かなり選択肢が限られる。 結局レビューの評価が良いNoctua NH-L9iに決定。中古で黒いバージョンを5000円で入手できた*2。これはかなり高級感があり見た目もかっこ良くて満足度高い。ファン径も92mmと、標準クーラーより1.5倍ほど大きくなったので、かなり静音化もされた :tada:。

電源

JONSBO T8はATXSFX電源の2規格に対応しているが、ATX電源を入れると非常に狭くなるので、より小さいSFXの方を選びたい。 また電源容量的には、上記パーツの最大消費電力を合計すると約230Wなので、300Wもあれば十分。

上記条件で市場を探ると、Corsair SF450が見つかった。6500円で購入。

実物を見ると、SFXはATXよりかなり小さくてビビる。今までATXしか使ってなかったが、低容量電源ならもうこっちでいいんじゃないか。

その他

T8はデフォルトで140mmのケースファンが1つ付属するのだが、これが起動中は虹色に輝くので視覚的にやかましい。顧客からのクレームがきたので、光らないファンを代わりに用意した。960円。

これにて全てのパーツの選定・購入が完了したので、粛々と組み立てていく。

組み立て編

購入経路がさまざまのため、各パーツが異なる時期にバラバラと送られてくる。

できるだけ組み立てを迅速に行うため、パーツが届くごとに順次動作確認することにした。(特に今回は多くが中古パーツなので重要)

マザボ・CPU・RAM・電源があれば最低限動作するので、そこから検証していく。

仮組みの様子

ちなみに上の写真では乱雑にビニール袋の上にマザーボードを置いているが、この状態では動作がめちゃくちゃ不安定だった。少し触れたらフリーズするなど。最低限箱の上に置くなどして基板を浮かせたほうが良さそう。

結果的には、全てのパーツが問題なく動作した。フリマアプリ万歳。

完成形がこれ。実はこれはクーラーをNoctuaに交換する前の写真なのだが。ケーブルが硬いので、配線の整理はこれが限界だった。

小さめケースで組むのは初めてだったが、やはり狭くて作業しづらい欠点があるものの、完成後の満足感は高いという発見があった。密度高いことでムダのない感じがあって良い。

合計金額

カテゴリ 名前 値段 [円]
電源 Corsair SF450 CP-9020104-JP (中古) 6500
ケース JONSBO T8 Silver 11706
マザーボード MSI H510I PRO WIFI 13463
ストレージ Crucial CT1000P2SSD8JP 9685
メモリ KLEVV DDR4 2666 PC4-21300 8GB x 2枚 5933
CPU Intel Core i3 10320 BOX (中古) 13300
CPUクーラー Noctua NH-L9i chromax.black (中古) 5000
ケースファン Scythe KAZE FLEX 140 KF1425FD12S-P 960
GPU NVIDIA GTX 1060 mini 3GB (中古) 20500
合計 87047

(デザイン費含まず)

なんということでしょう。当初の予算 (10万円)からお釣りが出るくらいになった。OSと周辺機器含めても10万強程度。こうして顧客(妻)のゲーミングもといネットサーフィングマシンが完成したのであった。

まとめ

小型PC楽しい。次はもっと小さいのもやってみたい。

あと、フリマアプリはたまに掘り出し物が出品されるので、常に監視したくなる。メルカリ→ラクマ→Paypayフリマ→メルカリ…の無限ループ完成である。

しかし、これらを頻繁に巡回してると割とメンタルを削られる (株のチャートから目を離せなくなる心理と似ている) ので、妥協できる値段のものがあればさっさと買ってしまうのが良いように感じた。 また買った後はもうその商品は検索しないのが良い。より安いのが出品されたら凹むので。

ということで色々学びのあったPC組み立てでした。

*1:また、最近のCPUには通常モデルからグラフィック機能を削ったF付きのモデルがあり(i5 10400Fなど)、これは通常モデルより3000円ほど安くなる。実際今回は別にGPUを付けるのでFモデルでも十分なのだが、GPUの調子がおかしいときの原因調査の際、結局CPUの内蔵グラフィックを活用した経験もあったので今回も避けた。予備のGPUを常に確保している人には、F付きモデルが良さそう。 第8,9世代のCPUも見てみたが、中古の割にあまり安いものがなく、またマザーボードの入手性も下がっているので、当時の最新世代から選ぶことにした。

*2:ヒートシンクはともかくファンの中古はやや抵抗ある。今回に限っては元の持ち主が短期間のみの使用ということだったのでそのまま使っている。